
ニュージーランドでは10月22日より、中古物件を外国人(オーストラリア、シンガポール除く)が購入できなくなりました。今回は、その法律施行前後の不動産投資市場の動きを見ていきます。
全体から見れば、国内の不動産市場は活況のまま
ニュージーランドでは10月22日より、外国人(オーストラリア人、シンガポール人を除く)が中古物件を購入できなくなる法律が施行されましたが、その前後の不動産市場への影響はどうなっているでしょうか?
2018年の9月の統計に基づいた、ニュージーランド全国の売却物件ストック、売却価格についての推移をご紹介しましょう。
我々の拠点であるオークランド、ワイカト地方ですが、オークランドの売却物件数は対前17%上昇で9,906戸、ワイカト地方は、対前6.5%上昇の1,781戸。売却価格の推移は、オークランドが対前1.3%の小規模ダウンで約96万5,000ドル、ワイカト地方は1.8%上昇の約58万5000ドルでした。
オークランドは8月の売却物件数も上がっていましたが、9月は対前より下がったものの約8000戸台をキープし、引き続き、不動産売買は活発となっています。10月には不動産売買の繁忙期に入り、我々セールスマンの活動もピークに入る時期なのですが、オープンホームの内覧数は相変わらずの伸びで、オークション成立も結果が出ています。一時期の勢いはないものの、統計上価格の対前比は若干下がってはいますが、地域、物件によっては過去最高値を出し、不動産投資は盛んに動いています。
[図表1]ニュージーランド全国の売却物件ストック

[図表2]ニュージーランド全国の売却価格

10月後半から11月、12月といった年内の結果はもちろんこれからですが、弊社に在籍する中国人やインド人のセールスマンの声を聴くと、それぞれの国に在住する顧客というより、すでに移住している顧客との商談であるため、今回の法律改訂は実質上大きな影響はないとのことでした。大型開発土地購入の投資家は影響を受けているようですが、一般住居・投資物件斡旋については、この法律によってビジネスが暴落するようなことはないようです。
ただ、マネーロンダリング検査が厳しくなっており、資金の出どころの不明さがあれば、購入物件の支払い精算に陰りが出てきますので、そのあたりの資金送金・対処は強化しなければなりません。物件売買契約書交換においても身分証明を明らかにし、ニュージーランド国内の永住権保持者としては、ビザ提示が求められ、手続きが若干複雑化していきます。
しかしながら、外国人が中古物件を買えなくなったという影響が、ニュージーランドの不動産売買に大きな変化をもたらしているかといえば、そうでもないというのが、現状の感触です。日本人やアメリカ人をはじめ、その他多くの外国の方々が不動産を買えなくなったことで、個人レベルが痛手を被っているのは事実ですが、国全体から見れば、国内の不動産市場は常に活性化しています。
確かに、オークションで外国人が値を上げる動きは、過去のピーク時に比較すればそれほど多くはなく、今後の値上がり幅が狭くなることは確かだと思われます。しかし、購入希望者同志で価格を争えば、当然価格は上がりますので、国内人口での競い合いが100%なくなるわけではありません。
投資の可能が残る、新築開発の集合住宅、商業用物件
日本国内の読者の方は、投資できない国のマーケット状況を聞いてもいまひとつピンとこないと思われているでしょう。ですが、まだニュージーランド不動産に投資する方法は残っています。以前よりご案内している、新築開発の集合住宅=アパートメント・タウンハウスは、引き続き賃貸運営での投資用として購入することが可能です。また、商業用物件への投資の道も残っています。
[写真1]開発されている新築アパートメント

[写真2]商業物件の例

安定した資産を持ち、移民受け入れを強化し、まだまだ成長が期待できる国、ニュージーランド。特にこれから先3年は日本との交流がさらに密となり、日本人なら一度足を運べばまた来たくなる、そして住んでみたくなる国だと思います。スポーツ・文化交流も盛んで、留学先としても人気上昇中の場所ですので、この連載をきっかけに、ニュージーランドへ目を向けて下さる方が増えることを期待しています。
Author Profile

- Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
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元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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