【連載211回目】ニュージーランド、金利低下で「マイホーム購入」の機運高まるも…新築物件と中古物件、明確な構造の差に実感する時代の流れ【現地バイヤーが解説】
2025年9月16日
連載コラム 一色 良子
ニュージーランドでは、近年の金利の低下傾向からマイホーム購入に踏み切る人が増えてきました。しかしながら、購入希望者が提示する条件の物件探しは本当に大変で、バイヤーはいつも振り回されっぱなし…。現地の不動産の最新事情を見ていきましょう。
※本記事では、オークランド在住で不動産会社を経営する著者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。
南半球のニュージーランドは、ようやく春に…
南半球のニュージーランドでは、9月になって日照時間も少しずつ長くなり、住宅街の木々にも花が咲き始めるなど、寒い冬が遠のいてきています。
日本では9月に祝日が多いため、ニュージーランド旅行を計画されている方も増えています。筆者が暮らす国際観光都市のオークランドでは、8月のお盆の時期から9月にかけて多くの日本人旅行者の方々をお迎えしています。
一方、われわれの業界では、銀行金利の低下の影響で、ファーストホームバイヤー、投資家の方達が戻ってくることを期待し、これからクリスマス前までの繁忙期にかけて、ラストスパートをかけています。
早いもので、クリスマスパーティの開催場所や顧客の方々のメッセージ文面、プレゼントの選択などについて検討する時期となりました。
ファーストホームバイヤーたちの「マイホーム購入熱」続く
賃貸物件の家賃高騰が続くオークランドでは、頭金さえ用意できれば、住宅ローンを組んで住宅を購入するほうが、家賃の金額と同等かむしろ安くなることもあり、永住権を取得して家を購入できる立場になった移民の方々、結婚して子どもが生まれたのを機にマイホームの購入を視野に入れる地元の若い世代といった、ファーストホームバイヤーたちのマイホーム購入熱が続いています。
このところずっと金利は6~7%でしたが、この原稿を書いている現在は4.75%まで下がってきています。超低迷時期と比べれば高いものの、5%を切ったことで、住宅購入希望者たちの購入熱が再開しています。
高額所得者は住宅へ投資する選択肢もありますが、銀行の定期預金にお金を入れている一般の人たちにとって、金利が下がるのは少々痛いともいえます。とはいえ、4%ぎりぎりだった金利期間もあったわけですから、よしとすべきなのでしょう。
そのような事情のなか、毎週のように物件案内をしています。
希望通りの物件を探すのは大変!
ファーストホームバイヤーには、新築物件をおすすめする理由があります。ファーストホームバイヤーの方々には、購入金額の10%をデポジットとして、また、「キウィセーバー」という給与から老後の資金としての積立金制度があるのですが、これらの資金を投入することができるからです。
資金を集めて物件購入へと誘いつつ、新築物件あるいは築浅タウンハウスを見学してまわるのですが、期待と予算のギャップがあり、物件の多さと相まって、これがなかなか大変なのです。エリアもOK、ベッドルームの数も希望通り、室内のデザインも気に入ったけれど、予算があと5万ドル足りない…。では、予算内で、ベッドルーム数も期待通りの物件はというと、あれこれと気に入らない点があり、さらに勤務先まで遠い…といった具合です。エリアがいいところは土地の価格が高いので、どうしても割高になってしまうのです。
「ならば、エリア重視で勤務先に近い利便性を優先するなら、3ベッドルームではなく、2ベッドルームにしてはいかがですか?」
と、筆者も説得。同意して購入に踏み切る人、親族から借金してでも気に入った物件を買おうとする人、あきらめて場所もデザインも折り合いをつけていく人など、さまざまです。
20代後半から30代の方の若い方々はそのようなプロセスを経て購入する一方、40~50代の方々は、ワンランクアップの物件購入を検討します。子どもの成長に合わせて学区を重視するほか、親世代との同居を考えて、サイズアップを試みるケースも。購入にあたっては、1戸目の物件を売却して住宅ローンを再構築する、あるいは1戸目を担保にローンを組み、2戸目購入へとチャレンジする方法をとる方もいます。
とはいえ、現在建築が進んでいる新規の開発物件はリビングが狭い! 建物の横幅が狭いため、どうしてもテレビは壁掛け式になりますが、いまの時代、タブレット等の利用が増え、大型テレビは不要になってきているということでしょう。ニュージーランドでは放送されるドラマに限りがあり、日本のようなワイドショーもありません。よく視聴されているのは朝のモーニングショーとニュース番組で、それ以外はドキュメンタリーぐらいです。毎日、家族の食事や団らんでテレビを視聴するケースは多くありません。
話がそれましたが、ライフスタイルの変化からリビングのサイズが狭くなっている最近の新築物件ですが、中古物件を購入して、新築同然に変身させる手法もあります。ファミリーの希望を叶える物件を探して購入することが、いちばんだといえます。
Author Profile

- Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
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元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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