【連載第138回】政府の移民政策の影響も…NZ不動産の価格変化の要因
2019年6月14日
連載コラム 一色 良子GooNZ GooProperty オークション オークランド ニュージーランド ハミルトン ワイカト 住宅 投資 海外 海外不動産 移住 移民

ニュージーランドのオークランド地方では、不動産の平均価格が下落していますが、高額物件は引き続き好調であり、売買も盛んです。一方、ワイカト地方では物件価格の上昇が続いています。このような不動産価格の変化には、ニュージーランド政府による移民政策など、行政の動向が影響するケースもあります。今回は、オークラインドの人気物件の購入層や、オークランドやワイカトの不動産価格の推移等について見ていきます。
有名スポーツ選手も見学に…立地抜群な2億円超の物件
ヨットの街といわれるオークランド。歴史あるヨットレース、アメリカズカップでもニュージーランド勢は度々の優勝経験をもっています。そんなオークランド市民にとって、海のそばは馴染み深い憩いの場所です。毎日きれいな海の景色を見て暮らせるのは、とてもラッキーなことなのです。
さて、このたびついに、海の景色が見える物件が出ました。5ベッドルーム、2バスルーム、3台分の駐車場プラス、敷地内にも複数の駐車スペースがあります。
リビングルームが2つありますので、ファミリーホームとしてもいいですし、プロフェッショナルカップルのホームオフィスとして、海の景色を見ながら仕事をするのにも適しています。

オープンホーム初日、雨にもかかわらず、次々と訪問者がやって来ました。若い世代の家族と、定年間際の夫婦の訪問が目立ちます。物件の価格帯は、300万NZドル(約2億2千万円相当)です。
訪れたある若い世帯は、冷やかしなのかと思いきや、真剣な様子で物件を見て回っていました。聞けば、有名スポーツ選手とその家族とのこと。常に頂点を目指している方ですから、日常生活もベストな環境で暮らしたいと考えているのでしょう。窓から見えるオークランドシティの全景に、みなさんが歓声を上げていました。

一方、アジア人も負けてはおらず、二日続けて中国人の家族が見学にやって来ました。「この家は何でできているの?」「敷地の広さが約1500㎡あるから、この家をつぶして2軒新築を建てたいな・・・」などとコメント。
確かに新しい家ではなく、内装も古いため手を加えないといけませんが、つぶすなんてもったいない。この中国人家族にとってはこの景色こそが魅力で、いま建っているこの家は好みではないのか、新築にこだわります。ここの感覚が、ニュージーランド人とアジア人の違いなのでしょうか?
古いものを大切にし、もともとの基礎を使って自分好みにお化粧直ししていくニュージーランド人と、古いものを壊し、そこに新しく建てる中国人。中国の方は、風水を重視した家づくりをするので、建物の価値は考えません。
ただ、ここでちょっとした疑問も。家主はもちろん、家の価値を含めた価格を期待しているものの、買い手側にとって土地にしか価値がない場合、その価格でオファーを出すのでしょうか? 複数の方が見に来てくれた、みんな買う気満々だ! などと喜んではいられない状況です。
オークランドの人口集中回避で、他地域価格が上昇
今年に入り、オークランドの物件価格の平均が下がってきていますが(下記図表参照)、高額物件も引き続き活気があり売買が盛んで、ニュージーランド人の物件購買力は減ってはいません。2019年5月のリポートのオークランドの数字は、平均87万5,476NZドルで、先月に比べて2.7%低くなりました。

一方、ワイカト地方は、対先月3.2%上昇で62万6,776NZドル。去年50万ドル台となっていたのが60万ドルの数字になっています。これは、ハミルトンの郊外や、ケンブリッジの新興住宅地での新築物件価格が高額であるゆえに、平均値が上がっているためと考えられます。
2015年後半より、ワイカト地方の物件に注目していたころ、40万ドル台の家が多く販売されていましたが、もういまや、その数値では2LDKの物件しか買えない状況。ハミルトンも第二のオークランド化しつつあることが感じられます。
これは政府の移民政策により、オークランドへの人口集中が避けられ、地方で生活・起業をするとポイントが追加されるため、人々はハミルトンへ行くという現象によるものです。このような流れでも不動産価値が変化していきます。
Author Profile

- Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
-
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
連載コラム 記事一覧 >
最新の投稿
連載コラム2025.10.17【連載212回目】NZ不動産「ここ最近は、お得な物件探しができる」…「住宅ローン金利低下」「業者の新築物件の売れ残り回避策」が好影響
連載コラム2025.09.16【連載211回目】ニュージーランド、金利低下で「マイホーム購入」の機運高まるも…新築物件と中古物件、明確な構造の差に実感する時代の流れ【現地バイヤーが解説】
連載コラム2025.08.18【連載210回目】NZ不動産市場、失速していた「オークション販売」に復活の兆し…「中古住宅」の高値売却を実現する「改装テクニック」とは【現地バイヤーが解説】
連載コラム2025.07.11【連載209回目】NZ不動産、2025年6月「一般居住物件価格」は概ね下落も、オークランドは好調【現地バイヤーが解説】

















