
移民の増加、住宅の不足・・・様々な問題が残るなか、新年早々、ニュージーランドの不動産業者は広い土地の確保に躍起になっています。今回は、ニュージーランドにおける移民の実情と、土地開発の様子を見ていきましょう。
アメリカ人、中国人・・・NZ移住を考える人々は多い
今年も、新年最初の不動産視察ツアーが開催されました。オークランド空港にお客様を迎えに行った際、到着ロビーから降りてくる人々を見て、今のオークランドを取り巻く移民の状況を実感しました。
まず思ったことは、アメリカ人の訪問者が増えていること。ロサンゼルス、サンフランシスコ、ハワイからの便が増え、ツーリストというよりもビジネスマン、移住家族風の人々がどんどん出口に向かっています。
もちろん中国人も多いです。ジャンボジェット機から300人、400人単位で降りてくる中国人は、ダンボール箱に沢山の荷物を詰めていたり、子ども連れのカップルであったりと、どうみても観光客には見えません。
親戚のもとを訪れた中国人もいるでしょうが、ほとんどは既に移住している人々の里帰り、またはこれから移住してくる人達だと思っています。
韓国人や日本人は、ハイキング姿の定年退職者グループが目立ちました。ただ日本人に関しては、お正月休みを利用して移住の下見に来る方もこの時期は増えますので、ニュージーランド移住を目指す方はやはり多いと言えるでしょう。
土地不足のなか、どんどん増える「狭い集合住宅」
オークランドでの土地確保は、ますます厳しくなってきました。要は空き地が少ないのです。そんな中、新年早々開発業者は土地の確保に力を入れています。
広い土地を持つ古い家屋を重点的に探します。家自体は二束三文でも、土地に価値があればいいのです。1軒に1500㎡の広さがある場合、または1軒800㎡程度のものが複数建ち並んでいる家の場合は、3軒から5軒をまとめて購入し、一つの大きな土地を確保します。
古い家屋のある通りには、築年数がほぼ同じ家屋が立ち並ぶため、1軒見つけてうまく購入できれば、近隣不動産を全て買い占めることも難しい話ではありません。この開発物件の土地を確保するのが、今後の開発の成功を左右するのです。要は、いかに安く手にいれるかが重要ですから、可能な限り平坦な土地を探し、工事費の節約をします。


既存の家があまりに古ければ、更地にしてタウンハウスを建設します。広い土地が確保できれば、50戸単位のタウンハウス建設も可能となります。
一方、土地400㎡を一戸として、3軒建てられるような土地を1200㎡確保できれば、2階建ての3~4LDK一戸建ての開発も可能となります。
移民政策の強化、さらに住宅不足の問題もあって、政府もオークランド以外の街に移住するよう対策を試みていますが、やはり商業の中心地であるオークランドへの魅力は捨てきれません。
たとえ狭い土地、狭い家であっても、移民にとっては母国とほとんど変わりのないサイズですから、そこに不満を感じている方は多くないようです。開発会社も、東南アジアからの移住者となると、移住者が自分で好みの住宅を建設をするので、違和感がないのだと考えています。
ニュージーランド人としては、自国の環境が変化していくのに不満を持ちつつも、現状大家族が住める広い家の必要性がなくなってきていますから、集合住宅への居住にアレルギーを起こす人は少ないようです。
臨機応変に「狭い家」を楽しむ若い世代も
今回も不動産を一つ紹介しましょう。今回紹介するのは、平均的な床面積が150㎡のところ、たった15㎡の中に建設された家です。移動式の家屋ではありますが、無駄のないマイホームとなっています。

1階には、リビングとダイニング兼用のスペース、ミニキッチン、シャワールームが完備されており、2階には、メザニー階としてベットルームを設置。中央には空間を作って、狭い印象を取り除き、広々とした空間を保ちます。


これは極端な例ですが、遊び心を持ちつつ今の社会に溶け込めるよう、若い世代は、臨機応変にライフスタイルをエンジョイしています。
Author Profile

- Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
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元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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