
現在ニュージーランドでは住宅ローンの金利が下がり、物件の売買が盛んに行われています。今回は、ニュージーランドにおける住宅ローン金利の現状と、物件オークションの実情を見ていきます。
住宅ローン金利の低下で「借り換え」が続出しているNZ
つい最近、日本でマイナス金利が導入されたという知らせを聞きましたが、ここニュージーランドでも金利が下がり、借り換えが続出しています。
ある方は、2年固定金利(5.59%)の住宅ローン契約をしていましたが、ペナルティー金を払ってでも途中解約したほうがお得ということで、3年固定金利(4.49%)の住宅ローン契約に切り替えています。
一方、ニュージーランド在住者や親戚・家族がニュージーランドに在住している外国人にとっては、融資が拡大しているという側面もあります。特に、子供がワーキングホリデー中、または留学中である家族にとっては絶好のチャンスとなっています。移住目的者も増えており、政府も引き続き移住を奨励している状況です。
オークショナーとバイヤーには「裏事情」があることも
時折雨が降る曇り天気の中、オークランド中心より西方面のKelston(ケルストン)の街でオークションが開催されました。オークション開始10分前になると、近所の人々や買い手候補が続々と会場に集まります。
出品されたのは、1960年代建造、4LDK1バスルーム&トイレット、2台の車が入るガレージが備わっている物件です。

築60年ではありますが、キッチン、バスルーム、床のカーペット、壁のペンキ塗りなど全面改装が施されています。おそらく改装に10万NZドル(750万円相当)はかかっているでしょう。

買い手候補は、中国人家族2組と、インド人家族の計3組です。

中国人バイヤーが、50万NZドルビット(競売で手を上げること)より競りを開始。その後、5万NZドルずつインド人家族と共に競り合い、70万ドルになると、インド人が71万NZドルでビットしました。金額が小さかったもののオークショナーは受け入れ、引き続き競り合います。
ここまでオークションの様子を説明しましたが、実は、最終的に残った中国人のバイヤーは筆者が運営する支店の顧客なのです。そしてインド人バイヤーは、オークショナーと同じ支店のバイヤー・・・。私は、インド人バイヤー寄りにオークションが進むのではないいかと、横でハラハラしながら見ていました。
幸い、そのことに関して中国人からのクレームは出ませんでした。
インド人バイヤーが物件を落札したものの・・・
オークショナーは、家主が売却承認する最低金額を知っているので、担当セールスコンサルタントと共に両者を説得しながら、あと5000NZドル上げようとか1000NZドル上げようという交渉をしていきます。
オークションも佳境に入ったところで、インド人バイヤーが77万7000NZドルを掲示。中国人バイヤーが上げてこなかったため、一旦中止して家主と相談します。家主もしぶといもので、物件価格をなかなか妥協しようとしません。
そこでインド人バイヤーが77万9000NZドルをビットしましたが、すかさず中国人バイヤーが78万NZドルをビット。すっかり汗だくになってしまったインド人バイヤーは、やっとのことで78万1000NZドルをビットします。ここにきて、とうとう中国人バイヤーは頭を横に振り、これ以上上げられないとつぶやきました。
こうして、ようやくオークションは終了。その後、担当セールスコンサルタントの説得により、78万5000NZドルで物件契約書を交わしました。
しかしなんということか、結局家主はその金額を受け入れず、83万9000NZドルの値段でウェブ上に物件広告を出してしまったのです。
実は家主は、80万NZドル出せば契約を受け入れるという旨を、オークション前に掲示していました。それゆえ担当セールスマンは、何とかインド人バイヤーに80万NZドルでオファーを出すことを求めていたのですが、結局頭を縦に振らず、オークションが終了してしまったのです。
そのことを受けて、インド人バイヤーは現在、足りない数万ドル分の予算を融資してもらおうと銀行に相談しています。当初は親戚一同で資金を出し合い、現金で購入しようと考えていたようですが、案外簡単に融資が受けられるということで、早速資料を取り寄せ交渉しています。
住宅ローンは使いたくない、融資は難しいと敬遠している人はまだまだたくさんいます。そのような事情もあって、銀行マン及び融資専門のモーゲージブローカーは営業に専念しています。私たち不動産販売セールスマンも、モーゲージブローカーと一体となり、資金集めに努力しています。
Author Profile

- Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
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元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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